万里さんの学習ノート

1.インド伝承医学 内科学古典『チャラカ本集』を読む
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アーユルヴェーダ『チャラカ本集』の勉強を始めましょう。

[はじめに]
『チャラカ本集』の学習の前に、日本でのアーユルヴェーダ研究の40年をふりかえる小文を3つ紹介します。
その第1編目は日本でアーユルヴェーダ研究会を設立した初代会長丸山博(亡父)の最初の呼びかけです。
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新しい医学・衛生学の開拓 
                   
                  

丸山 博
(初出:“いずみ”第17巻1号・
1969年)
(転載;『アーユルヴェーダ
研究』アーユルヴェーダ研究準備会研究誌・第0号・1970年)

 

 

アーユルヴェーダはサンスクリット語でLife Scienceの意味。インド伝承の医学で、その生成期は西暦紀元前数千年前で、アラビヤ医学やギリシャ医学よりはるかに古く、また中国医学よりも古く、おそらくは文献でわかる世界の医学の源流は、ここにあるのではないかと推測されます。

 それはインド文化のふるさとと共に考察するに値します。すでに仏教以前に大成されたアーユルヴェーダは、まさしくフィジカル(物質、肉体、医術的)な知識体系で、このアーユルヴェーダの治療体系をメタフィジカル(形而上学、抽象的)に体系づけたのが仏教の開祖ゴータマではなかったかと私は推定します。というのは仏教の解脱方法の考え方は、あまりにも原始医学的ではないかと平素考えていた私にとって、アーユルヴェーダの歴史と哲学思想を知るにいたって、そうだと考えざるをえなくなったのです。

 アーユルヴェーダは生命と健康の科学であると現在のインド医学者はいいますが、衛生学や公衆衛生の原理を食物におく点では実に素朴であり、簡明であり、実用的です。いわゆる近代西洋治療医学の主流はAllopathy(対症療法)だが、アーユルヴェーダはHomeopathy(同種療法)だと主張します。

 アーユルヴェーダの医学はヴァータ、ピッタ、カパの平衡関係の理解を第一義とし、すべての疾病の生成消滅をこの関係に求めます。このことはおぼろげにはわかってきましたが、現代科学的用語で記述できるまでには残念ながら至っていないのが私たちの現状です。いまウパニシャッド(哲学)を研究している文学部大学院生と医学部学生数人と私たちは19694月からゼミナールを阪大医学部でひらいています。いつまで続くか、どんな収穫が得られるのか楽しみです。1970年代への若き学徒の挑戦です。

 医学史上最古の文献との対決も近く予定されています。いままでは、その準備勉強中です。1969年の正月休みにガンジーの出身州であるグジャラート州のジャムナガールにあるアーユルヴェーダ大学をたずねた日本人はじめての視察団(私もその一人)には日印医学文化交流に新機軸をだすことが期待されます。私たちは日本の西欧医学偏重への反省をこめて、新しい医学、衛生学を世界的に開拓する一助にアーユルヴェーダの研究をしたいと考えながら勉強しています。

 

 

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